図録表紙

 

テーマ:特別展「職人町・漆器の黒江」

内  容:

 今回の特別展は、和歌山県の代表的な伝統的工芸品である“黒江塗(くろえぬり)”の生産地、海南市黒江を紹介します。黒江と黒江塗の特色は、次の3つにあります。 @漆器作りの工程をさまざまな職人が分担し、庶民の日常使いの漆器を安くたくさん作る分業体制を確立したことA職人のみならず材料や道具の商人、漆器を売る問屋や行商人など、漆器生産にかかわるあらゆる人々がひとつの集落に集まっていること。B安い材料で手早く製品を仕上げる、独特の技術を江戸時代から伝えてきたこと。 資料館の企画展示室では、職人が使用した道具約170点の民俗資料と写真資料を紹介、漆器作りの職人たちの使用した道具を網羅し、原木がひとつの椀や膳になるまでの工程が具体的に分かります。また黒江の町並みと漆器作りの関係や、漆器と関係した年中行事なども図や写真で紹介します。あわせて園内移築の元黒江の漆器問屋、国指定重要文化財「旧柳川家住宅」でも、問屋の商いと生活を紹介する展示を行ないます。

展示資料

 @漆液をとり、漆を精製するための道具 A原木から素地を作るための道具 B素地に漆を塗るための道具 C飾りの模様や絵を描くための道具 D問屋使った道具や流通関係の資料  黒江塗製品その他   合計 270

開催期間:平成13年9月29日(土)〜11月25日(日)

会  場:県立紀伊風土記の丘資料館(企画展示室)・国指定重要文化財「旧柳川家住宅」